Instagram責任者が公式発信!20枚のスライドから読み解く、2026年にアルゴリズムに選ばれる「誰が」の運用術
更新日:2026.01.29
カテゴリー:お役立ち記事:Instagram
Instagramのアルゴリズムは大きな転換点を迎えました。2026年1月1日、Instagramの責任者アダム・モッセーリ氏が自身のSNSで公開した、20枚にも及ぶ異例のテキストメモがあります。そこには、AIが普及しきった今、Instagramが直面している危機と、私たちが向かうべき驚くべき未来が記されていました。
この内容をベースに、これからの運用戦略を読み解いていきましょう。
※テキスト全文はコラムの最後にも掲載
01
AI時代に選ばれる「誰が」の運用術
AIが完璧なコンテンツを無限に生み出す2026年。これまで私たちが重視してきた「プロのような構図」や「隙のないレタッチ」は、今やボタン一つで誰もが、そしてAIが自動で生成できる「代わりの利く情報」になりました。
この結果、Instagramの評価基準は「何が投稿されているか(内容の質)」から、「誰が投稿しているか(発信者の実在性)」へと完全に移りました。モッセーリ氏は「完璧な美しさは、今やAIによる偽物であることの証拠になってしまった」と述べ、リーチを伸ばす鍵はもはや情報の正しさや綺麗さではなく、「その発信者の言葉だからこそ信じられる」という個人の記名性にあると断言しています。
これからの運用で評価されるのは、フォロワーとの間に築かれた「人間的な繋がり」です。AIには決して持てない「独自の人生観」や「一貫した価値観」を提示し、アルゴリズムに「このアカウントは特定の分野で信頼されている実在の個人である」と認識させることが、新時代の運用における核心となります。
02
専門性の定義が変わる:「知識」から「独自の私見」へ
これまでInstagramで「専門的な投稿」といえば、教科書的な知識を綺麗にまとめたスライド形式(カルーセル)が王道でした。しかし、そうした「誰が書いても同じになる汎用的な知識」は、今やAIの得意分野です。AIが生成した情報を継ぎ接ぎしただけの投稿は、アルゴリズムから「AIスロップ(価値の低い情報の塊)」と判定され、拡散を制限されるリスクさえあります。
2026年、アルゴリズムが評価する専門性とは、単なる「詳しさ」ではなく、その人にしか語れない「独自の私見」です。
「情報のキュレーション(収集・整理)」から「体験のナラティブ(自分自身の語り)」へ ネットで拾える正解を並べるのではなく、「私はこの手法を試して、ここが一番失敗した」「世間ではAが正解と言われるが、現場ではBの方が有効だった」という、個人のフィルターを通した一次情報を混ぜることが不可欠です。
・例えば
ダイエットジャンルの場合 「2026年最新の糖質制限ルール」を解説するのではなく、「流行の最新手法を40代・運動嫌いの私が3ヶ月試して、唯一体に異変を感じず継続できた理由」を発信しましょう。
AIが提供する「100点満点の正解」よりも、人間が語る「60点だけどリアルな試行錯誤」。この泥臭いプロセスこそが、2026年における新しい専門性の正体です。
03
悩み解決の投稿は「顔の見える解決策」に
かつての悩み解決コンテンツは、検索エンジンやAIチャットボットと同じ「正解の提示」で満足されていました。しかし、2026年。検索すればAIが瞬時に最適解を出してくれる時代に、ユーザーがわざわざInstagramで悩み解決を見る理由は、単なる知識が欲しいからではなく、「同じ悩みを持っていた実在する誰か」の体温を感じ、安心感を得たいからです。
2026年のアルゴリズムは、単なる「Q&A」よりも、解決に至るまでの人間味のあるプロセスを高く評価します。
「情報の透明性」と「信頼性シグナル(信頼の証)」の強化 単に解決策を文字で並べるのではなく、「顔出し」や「生の声」による発信が、これまで以上に強力な信頼の武器となります。AIがどれだけ精巧な動画を作れても、視聴者の感情を動かすのは、その人の表情の微細な変化や、声のトーンに宿る「本気度」です。
「スタジオの完璧さ」よりも「生活感のある現場」を 完璧なライティングのスタジオよりも、あえて生活感のある場所や、悩みが発生している「現場」で撮影された映像の方が、「加工されていないリアル」として信頼スコアを上げます。
・例えば
インテリア・片付けジャンルの場合 「収納のコツ5選」を綺麗な図解イラストで出すよりも、「自分の家の、一番見せたくなかった汚いクローゼット」をリールで晒し、それを葛藤しながら改善していくプロセスを、自分の声(ナレーション)で語る投稿の方が、保存数とリーチを大きく伸ばせるでしょう。
AIには「苦悩」も「生活の汚れ」もありません。あなたの「現在進行形の試行錯誤」をさらけ出すことこそが、AI時代における最強の悩み解決コンテンツとなるのです。
04
「ロウ(生)」な質感が信頼を担保する
モッセーリ氏は、20枚のスライドの中で「不完全さは証明である」という衝撃的なメッセージを残しています。AIが毛穴ひとつない完璧な肌や、黄金比に基づいた完璧な構図を無限に生成できるようになった2026年、皮肉なことに「完璧であること」は「AIによる偽造」を疑わせるネガティブな要素へと変わりました。
ここで重要になるのが、あえて演出を削ぎ落とす「ロウ(生)」な質感です。あえて「作り込まない」ことは、単なる手抜きではなく、高度な戦略的価値を持つようになります。
なぜ「不完全さ」が信頼を生むのか。デジタル上の信頼は今、情報の質ではなく「身体性(そこに人間が実在すること)」に依存しています。手ブレ、不規則な生活音、ふとした瞬間の言い淀み。これらはAIがシミュレートしきれない「ノイズ」であり、視聴者に対して「これは今、この場所で、生身の人間が発信している本物だ」という強烈な実在証明として機能します。
「演出しない」ことの戦略的価値 あえて無加工の映像や、整理整頓されていない背景を映し出すことは、あなたの「誠実さ」を象徴します。「良いところだけを見せようとしていない」という姿勢が、視聴者のガードを下げ、心理的な距離を一気に縮めるのです。
【運用のヒント】
・スマホでの一発撮りと「無加工の共有」
過度なテロップや派手なエフェクトを控え、スマホのカメラで撮ったままの空気感を大切にしてください。それが「実写であること」の何よりの証拠になります。
・BTS(舞台裏)とプロセスの公開
成功した華やかな結果だけでなく、準備中の散らかったデスクや、試行錯誤してボツになった案など、舞台裏をストーリーやリールで積極的に見せましょう。「完成品」よりも「未完成のプロセス」を見せる方が、背後にいる人間の存在感を強く印象づけられます。
AI時代において、「隙(すき)」を見せることは、最大の防御であり、最大の攻撃でもあります。あなたの不完全さを隠すのではなく、コンテンツの「核」として活用することが、選ばれるアカウントへの近道です。
05
結論:2026年の勝ちパターンは「信頼の蓄積」
アルゴリズムは今、「このアカウントは一貫して本人の体験を発信しているか?」というアカウント単位の信頼スコアを蓄積しています。一度きりのバズを狙って流行りの音源やAI画像を多用するよりも、不器用でも「自分の視点」で投稿を続けること。それが、モッセーリ氏が予告した「オリジナリティ優遇」のアルゴリズムに乗るための最大の近道です。
とは言え、この公式責任者が示した新しいビジョンは、明日からすべての運用を180度変えなければならない、という意味ではありません。
もちろん、これまで通り「保存される有益な情報」や「SEOを意識したキーワード設定」といった運用の基本は依然として重要です。今のフォロワーが求めている価値を届け続ける土台があってこそ、新しい「信頼」も積み上がっていきます。
大切なのは、これまでの王道スタイルを守りつつ、日々の運用の中に少しずつ、あなたにしか語れない「体験」や「独自の視点」を混ぜていくこと。今の基本を抑えた運用を継続しながら、徐々に新しい時代の信頼獲得へとシフトしていく。 この柔軟なステップこそが、変化の激しい2026年のInstagramを賢く、そして確実に攻略する最善の道です。
ただ、この新しい感覚を実際の運用に落とし込むには、客観的な視点が必要になることもあります。「自分の強みや『独自の視点』が何かわからない」と立ち止まってしまうのは、あなたが真剣に発信と向き合っている証拠です。もし私たちがこれまで培ってきた経験がお役に立てるなら、ぜひ微力ながらサポートをさせてください。皆さまが描く理想の運用を、共に形にしていく機会をいただければ嬉しく思います。
06
20枚のテキスト全文と和訳
1 The key risk Instagram faces is that, as the world changes more quickly, the platform fails to keep up. Looking forward to 2026, one major shift:authenticity is becoming infinitely reproducible.
「Instagramが直面している主要なリスクは、世界が急速に変化する中で、プラットフォームがそのスピードについていけなくなることです。2026年を見据えた時、一つの大きな転換点があります。それは、『オーセンティシティ(本物であること・自分らしさ)』が、無限に複製可能(再現可能)になりつつあるということです。」
2 Everything that made creators matter-the ability to be real, to connect, to have a voice that couldn’t be faked-is now accessible to anyone with the right tools.
Deepfakes are getting better. AI generates photos and videos indistinguishable from captured media.
「クリエイターを特別な存在にしていたすべての要素――ありのまま(リアル)であること、フォロワーと繋がること、偽造不可能な『独自の声』を持つこと――が、今や適切なツールさえあれば、誰にでも手に入るものになりました。ディープフェイクの精度は向上し続けています。AIが生成する写真や動画は、カメラで撮影されたメディアと見分けがつかないレベルに達しているのです。」
3 Power has shifted from institutions to individuals because the internet made it so anyone with a compelling idea could find an audience. The cost of distributing information is zero
「権力は(メディアや企業などの)既存の組織から『個人』へと移り変わりました。なぜなら、インターネットによって、魅力的なアイデアさえあれば誰でもオーディエンス(聴衆)を見つけられるようになったからです。情報を発信・流通させるためのコストは、今やゼロになりました。」
4 Individuals, not publishers or brands,established that there’s a significant market for content from people. Trust in institutions is at an all-time low. We’ve turned to self-captured content from creators we trust and admire.
「パブリッシャー(出版社や放送局)やブランドではなく、他ならぬ『個人』が、人々から求められるコンテンツには巨大な市場があることを証明しました。既存の組織に対する信頼は、かつてないほど低下しています。私たちは、自分たちが信頼し、憧れるクリエイターが自ら撮影した(セルフキャプチャ)コンテンツへと、関心の矛先を向けたのです。」
5 We like to complain about “AI slop,” but there’s a lot of amazing AI content.Even the quality AI content has a look though: too slick,skin too smooth. that will change-we’re going to see more realistic AI content.
「私たちは『AIスロップ(AI製の質の低いゴミコンテンツ)』に対して文句を言いたがりますが、実際には驚くほど素晴らしいAIコンテンツもたくさん存在します。ただし、質の高いAIコンテンツであっても、特有の『質感』があります。光沢が出すぎていたり、肌が滑らかすぎたりといったものです。しかし、それも変わっていくでしょう。私たちはこれから、より現実(リアル)と区別がつかないAIコンテンツを目にすることになります。」
6 Authenticity is becoming a scarce resource,driving more demand for creator content, not less. The bar is shifting from “can you create?” to “can you make something that only you could create?”
「『オーセンティシティ(本物であること)』が希少な資源になりつつあります。その結果、クリエイターのコンテンツに対する需要は、減るどころか、むしろ高まっています。今後、ハードル(評価基準)は『作れるかどうか?』から、『あなたにしか作れないものを作れるか?』へと移行していくでしょう。」
7 Unless you are under 25, you are probably think of Instagram as feed of square photos: polished makeup, skin smoothing, and beautiful landscapes. That feed is dead. People stopped sharing personal moments to feed years ago.
「あなたが25歳以上なら(25歳未満の若者でない限り)、Instagramのことを『正方形の写真が並ぶフィード』だと思っていることでしょう。バッチリ決めたメイク、滑らかな肌、そして美しい風景が並ぶ場所だと。しかし、そのフィードはすでに死んでいます。人々は何年も前に、フィードに個人的な瞬間を投稿するのをやめてしまったのです。」
8 The primary way people share now is in DMs: blurry photos and shaky videos of daily experiences. Shoe shots and unflattering candids. This raw aesthetic has bled into public content and across artforms.
「現在、人々の主要な共有手段はDM(ダイレクトメッセージ)です。そこでは、日々の体験を映したボケた写真や手ブレした動画がやり取りされています。足元の写真や、お世辞にも映えているとは言えない無防備なスナップ写真。こうした『生(ロー)な美学』は、今や公開設定のコンテンツや、あらゆる芸術形態にまで浸透しています。」
9 The camera companies are betting on the wrong aesthetic. They’re competing to make everyone look like a pro photographer from 2015. But in a world where AI can generate flawless imagery, the professional look becomes the tell.
「カメラメーカー各社は、間違った美意識に賭けています。彼らは誰もが『2015年当時のプロカメラマン』のような写真を撮れるようにと競い合っています。しかし、AIが欠点のない完璧な画像を生成できるようになった世界では、その『プロ並みの完璧なルック』こそが、皮肉にも(AIによる偽物であることの)証拠になってしまうのです。」
10 Flattering imagery is cheap to produce and boring to consume. People want content that feels real. Savvy creators are leaning into unproduced, unflattering images. In a world where everything can be perfected, imperfection becomes a signal.
「映える(実物より良く見せる)画像は、今や安価に制作でき、消費する側にとっても退屈なものになりました。人々が求めているのは、『リアル』だと感じられるコンテンツです。賢いクリエイターたちは、あえて演出を排除した、着飾らない(写りの良くない)画像を取り入れ始めています。あらゆるものが完璧に作り上げられてしまう世界において、『不完全さ』こそが(本物であるという)シグナルになるのです。」
11 Rawness isn’t just aesthetic preference anymore-it’s proof. It’s defensive. A way of saying: this is real because it’s imperfect.
「『生の質感(ローネス)』は、もはや単なる見た目の好みではありません。それは『証明』なのです。自分を守るための『防御』でもあります。『不完全であるからこそ、これは本物なのだ』と主張するための手段なのです。」
12 Relatively quickly, AI will create any aesthetic you like, including an imperfect one that presents as authentic. At that point we’ll need to shift our focus to who says something instead of what is being said.
「比較的すぐに、AIはあなたが好むあらゆる美学(エステティック)を作り出せるようになるでしょう。そこには、本物(オーセンティック)に見えるような『不完全な質感』さえも含まれます。その段階に達した時、私たちは焦点を移さなければなりません。『何が語られているか(コンテンツの内容)』ではなく、『誰がそれを語っているか(発信者の正体)』へと。」
13 For most of my life I could safely assume photographs or videos were largely accurate captures of moments that happened. This is clearly no longer the case and it’s going to take us years to adapt.
「私の人生の大部分において、『写真や動画というものは、実際に起きた瞬間の様子を概ね正確に捉えたものである』と、疑いもなく信じることができました。
しかし、今や明らかにそうではありません。そして、私たちがこの(新しい現実)に適応するには、何年もかかることになるでしょう。」
14 We’re going to move from assuming what we see is real by default, to starting with skepticism. Paying attention to who is sharing something and why. This will be uncomfortable-we’re genetically predisposed to believing our eyes.
「私たちは、『目にするものは本物である』というデフォルトの前提を捨て、『まずは懐疑的に見る(疑いから入る)』という姿勢へと移行することになります。
『誰が、なぜそれを共有しているのか』という点に細心の注意を払うようになるのです。これは非常に不快な体験となるでしょう。なぜなら、私たち人間は、自分の目を信じるように遺伝子レベルで組み込まれているからです。」
15 Platforms like Instagram will do good work identifying AI content, but they’ll get worse at it over time as AI gets better. It will be more practical to fingerprint real media than fake media.
「Instagramのようなプラットフォームは、AIコンテンツを特定するために最善を尽くしますが、AIの進化に伴い、その精度は時間とともに低下していくでしょう。今後は、偽物のメディアを特定するよりも、『本物のメディア(実写)』に電子指紋(フィンガープリント)を付与する方が、より現実的(実用的)な解決策になるはずです。」
16 Camera manufacturers will cryptographically sign images at capture, creating a chain of custody.
「カメラメーカー各社は、撮影した瞬間の画像に暗号化された署名を付与し、『チェイン・オブ・カストディ(作成から保存に至るまでの証拠保持の連鎖)』を構築することになるでしょう。」
17 Labeling is only part of the solution. We need to surface much more context about the accounts sharing content so people can make informed decisions. Who is behind the account?
「(AIか実写かという)ラベルを貼ることは、解決策の一部に過ぎません。私たちは、人々が自分自身で情報に基づいた判断を下せるよう、コンテンツを共有している『アカウント』に関するより多くのコンテキスト(背景情報)を提示する必要があります。そのアカウントの背後にいるのは、一体誰なのか?」
18 In a world of infinite abundance and infinite doubt, the creators who can maintain trust and signal authenticity-by being real, transparent, and consistent-will stand out.
「(コンテンツが)無限に溢れ、同時に(それが本物かという)疑念も無限に広がる世界において、信頼を維持し、オーセンティシティ(本物であること)を示し続けられるクリエイターこそが、際立った存在となるでしょう。そのために必要なのは、『リアル(ありのまま)』であり、『透明(隠し事がない)』であり、そして『一貫している』ことです。」
19 We need to build the best creative tools. Label AI-generated content and verify authentic content. Surface credibility signals about who’s posting. Continue to improve ranking for originality.
「私たちは、最高峰のクリエイティブ・ツールを構築する必要があります。
・AI生成コンテンツにはラベルを付与し、本物の(実写)コンテンツを検証すること。
・誰が投稿しているのかという『信頼性シグナル』を可視化すること。
・そして、オリジナリティ(独自性)に対するランキングの改善を継続することです。」
20 Instagram is going to have to evolve in a number of ways, and fast.
「Instagramは、多くの面において、そして極めて迅速に、進化していかなければなりません。」
